銀河が泣けた!虹も裂けるわ!

えーとまあ色々ツッコミどころは満載な最終回でした。

・久々登場の嵐が「破門を解いて貰う代わりに雑兵からスタート」で丸坊主という「誰だお前」状態で登場。
・ペニーレインといつの間にかサクっと結婚していたシャフトジュニア(画期的だなあ)。
・尺が足りないためか、通常1P丸ごとや2P見開きでかますスーパーブローは4分の1コマ程度のエコなコマ割りでダイナミックの欠片もない。
まさかの「試合途中」での幕引き
・しかもラストシーンを飾ったのは主役でも無ければヒロインでもなく、観戦中の河井さん。河井さんが、かつての仲間の写真を胸に眠るように死んで、総帥が涙してラスト。

かつて、リンかけ2が始まった当初はそらもうワクワクしたものですよ!
小遣い少ない学生の身の上で、古本屋を回ったり、揃わない巻はお年玉で新品でやむなく買ったり。少しでもリンかけ資金に回したくて、バス代節約して寒空の中8キロ先まで自転車で買いに行ったり…。
またそう惹き付けるだけの魅力がありました。リンかけでは何度泣いたことか。
あの感動が再び…とか夢見たんですよ(遠い目)

今思えば、あの頃はまだ日本も「貧困」とか「ハングリー」とか描きやすい土壌だったんじゃないかと思います。高嶺姉弟とか辻本とか、生々しいというか。一方、剣崎みたいに「金持ちだが心は満たされていない」空虚感も、よく出てました。
2では、平成という高度成長しきった世界観が背景では車田ワールドの魅力が十二分に引き出されなかったのかもしれません。
また、かつてリンかけが築いた「5人組のチームがトーナメントを勝ち進みつつ成長する」「トーナメントが終わっても新たな強敵と勝ち抜き戦」という今のジャンプの王道黄金パターンは、2では「あえてのアンチテーゼ」かと思うくらい団体戦ではなく主役のロードムービー的展開でした。(最終的には終盤団体戦がきましたが、正直未消化というか…)
2のテーマはズバリ「父親越えする息子」だと思いましたが、正直それも最後まで未消化気味(汗)
リンドウは最終回でのセリフもなんか凄かった。
「ボクシングで親父・剣崎順を越えることは最後まで出来なかったが(えー!?)、俺はあいつと違って惚れた女を大事にすることで越えてみせる。俺の一番大事なのは一菜、お前だからな…」「…リンドウさま(涙)」と、試合後引退し漁師になり、一菜のために生きるということで、母親・菊と添い遂げられなかった父・剣崎順を越える!という論理らしいのですが…正直これはちょっと(汗)

そもそも。このヒロイン一菜とリンドウのラブストーリーが、「出逢った当初からラブラブ」なので試練もへったくれも(一回横恋慕が入ったが、オカルトチックで不発気味だった)葛藤も障害もない薄っぺらい仕上がりになっているので(汗)あまりこれで「越えた」とか言われるのも納得いかない(汗)
菊と剣崎は車田漫画では随一本格的ラブストーリーを演じたカップルであると思う。
葛藤もツンデレも障害も反対も何でもありのそりゃもう波瀾万丈で、だからこそ剣崎が菊に求愛した時あれだけドキドキさせられ、最終回も納得いったものである。
惜しむらくは、一菜ちゃんにもう少しヒロインとして頑張って頂きたかったのだが…尺が無かったかな(残念)


…まああれだ、次は男坂2とかお願いしますね…。