『乱飛乱外①』田中ほさな/講談社

乱飛乱外(1) (シリウスKC)

乱飛乱外(1) (シリウスKC)

サンデーに2004年連載していた『暗号名はBF』の田中保佐奈が
「田中ほさな」に改名後の初連載(月刊少年シリウス)が遂に単行本に!
新創刊雑誌故に、コンビニではそうそうお目にかからないので、非常に立ち読みしづらかったがやっと出た①巻!これでいつでも手元に!

この作品をあえて一言でいい表すならば、
「美少女くの一ハーレム★ラブコメ時代劇」!!師匠である椎名高志の推薦文の帯が、非常にキャッチかつ「売り」をピンポイントに指摘していて解りやすい。(流石)
『俺の為に戦うくの一(笑)!!』まさにその通り!

主人公・雷蔵(15)は生まれつき頭に角が生えており、周囲から虐げられ、村八分にされ一人で生きてきた。
実は雷蔵は滅ぼされた刀家のご落胤であり、角はその証であった。彼を当主にいだき、刀家お家再興を悲願とするくの一達が続々終結する。再興を阻止しようと追手が来て戦ったり、お家再興計画の為に必死になるもすぐにドタバタトラブルになったり、「殿とラブラブになりたーい★」と、くの一同士バトルしたり…というストーリー展開。

全女性から存在そのものを全否定されてきた主人公が!「押しかけ美少女くの一達」から「とのー殿ーvvv」と慕われたり、求愛される境遇に変わり、戸惑うギャップがたまらん(笑)
とにかくキャラ立てが秀逸!
くの一が「如何に殿が好きか殿に萌えてるか殿にときめいているか!」という描写を、実に丁寧に描いている!見ててそのときめきっぷりにドキドキさせられる。


かがり
=ヒロイン格(?)最初に殿に出会ったくの一。天然っぽい。思いを寄せた相手に見つめられていると強くなれる、という技の持ち主。
「とのー!!私を見ててーーーvvv」(剛力)
雷蔵の視線がはずれると「(ぷしゅうう…)殿ー気が抜けちゃって力が出ませぬよぅ〜目を離されては困りますぅ〜」とふにゃっ★となるのが弱点。この娘の殿への尽くしっぷりとか、ドキドキときめくシーンがもう甘酸っぱくて甘酸っぱくて、胸を掻き毟りたくなるほどたまらん。


如火 
=くの一のリーダー。脅威の射撃の術を持つ。クールな委員長、生徒会長肌(かがりがボケで如火がマジツッコミみたいな)だが、時折見せる殿のやさしさに打たれ赤くなるシーンがたまらん。(は!ツンデレ!?)

姫丸
=第一印象は や っ ち ま っ た か … 。(素で)
里一番の房中術の使い手かつ、一番の美貌の持ち主。薬の扱いに精通している。でも 男。
最近流行の女装少年萌えなのかと思ったがちょっと違う、くの一で玉の輿に乗ってラクしたいvという計算高いお色気キャラ。でも男(笑)しかしその男すら殿にきゅーんとトキめくシーンは…その(汗)かなりたまらん(ええ!?)殿が赤面しちゃう気持ちがよくわかる…。今は「やってくれたな」に印象が変わった(笑)


とまあ、さまざまな萌えツボの異なるくの一達と、臆病で優柔不断でも心根は優しい殿との、お家再興を目指すラブコメ旅道中記、それが『乱飛乱外』!
※次の巻ではツルペタナインなロリっ子ながら、ドライでクールな四人目のくの一も登場。

①巻は五話収録。一話=雷蔵とかがりの出会い、出生発覚。二話=如火登場、再興に向けて旅立ち。三話=姫丸登場、殿貞操の危機。四話=殿をめぐって三人でドタバタパニック★。五話=かがりの恋煩い(?)、敵の親玉登場。
正直キャラ立て&紹介で一巻使った感じ。
しかしそのキャラ立てが秀逸であり、
これでもか!とぐいぐい押してくる殿とくの一、
双方向二元中継トキメキシーンと、
緩急自在のギャグシーンが病み付きになる事請け合い!!
満足度は個人的には80点!(握り拳)


しかしおそらく2巻、3巻とこの先キャラが出揃ってキャラが一人歩きどころじゃすまない奔放さを滲ませ出した頃、90点、95点と上昇するだろう!
中毒性の高い「美少女くの一ハーレム★ラブコメ時代劇」!……た、頼むからそれまで雑誌が潰れませんようにっ!!(切実)