「仮面ライダーをつくった男たち」

先週号のマガジン掲載読切・村枝賢一仮面ライダーをつくった男たち・第一話」未だ感動の涙がとまらない(本当)のでなかなか読み返せないが、その印象たるや本当に強烈に焼きついてしまった。
何がすごいかって、よくあるノンフィクものと確実に一線を画しているこの手腕。勿論100%実話ではないだろうがそんなものはどうでもいい、ノンフィクが味わいたいのなら文字媒体でも充分だからだ。肝心なのは「作品として成り立っている」という一点だと思う。
例えるのも何だが、「プロジェクトX」が成功した原因と同じ要素だと思う。
ただ事実をならべるのではなく、「物語」として、「作品」として見ても素晴らしいと感じる空気があった。溢れる熱意と迸る意思に感動した、泣いた!「RED」や「ライスピ」の時も唸らされたが、村枝賢一のあのコマ割りで表現されるテンポや、「ため」や「止め」の間の取り方は本当に絶妙すぎて読んでてぐいぐい引き込まれ掴まれてしまう。


「君にもそんな話はないのかい?」


あの台詞は間違いなく、主人公・平山亨だけではなく、村枝賢一氏自身や、紙面の向こうの我々にも向けられたものだっただろう。でなければこうまで胸を掻き毟られるような思いに未だ捕らわれてはいない筈だ(苦笑)
そして読了後、「ああ、あのヒーロー達は、我々の願望から生まれ出でてくれたのか」と深い感慨を味わった。


「あの頃俺は何の力もなくて 
誰も助けてくれなくて 
あたりまえか…戦争だもんなぁ 
でも それでもあの時は思ったよ… 
そんな世界からみんなを救ってくれる 
誰かがいたら…」


この作品に関して我々は一読者ではない、作中の登場人物足りえるのである(まだ生まれて無かった層だろうが関係は無い。自分達のリアルタイムヒーロー全てに共通する事だからだ)
「第一話」となっているということは、シリーズ化が予定されているのだろう。この話の後となるとかなりしんどいのではなかろうか?と余計な心配をついついしてしまうのだが、恐らく杞憂に終るだろうと、村枝賢一の今の勢いと熱を信じて待とうと思う。

【追伸】
しかし平プロデューサーの奥さんはすごい萌え妻だった…。
こ、このお方が「ぼくのライダーマン」の作詞をなさったという噂の…

勢い余って「復讐の戦士ライダーマン」のビデオを見返してみた(笑)