4コマ王子最新刊が最高だった

王子はブレイク直後とにかく単行本がたくさん出まくって、正直個人的には玉石混合だったのでどれもこれも買う、という訳にはいかなかった…。(弱小編集部もののフリップは面白かった)

月刊フリップ編集日誌 1 (バンブー・コミックス)

月刊フリップ編集日誌 1 (バンブー・コミックス)

デビュー当時スポーツうるぐすをイジりまくった4コマに惚れこんでずっと買っていたので残念だったが。
ここ最近では代表作の「せんせいになれません」と「ハルコビヨリ」だけ買ってた。
同棲カップルの日常を描いた「ハルコビヨリ」は抱腹絶倒だった。

せんせいになれません 6 (バンブー・コミックス)

せんせいになれません 6 (バンブー・コミックス)

ハルコビヨリ 4 (バンブー・コミックス)

ハルコビヨリ 4 (バンブー・コミックス)

といってもヒロインが個性的なので非日常的シーンが多く、そこが笑えた。ハルコは変人だが、基本的に彼氏のやっさんが常識人で振り回されたり染まったりする塩梅が絶妙だった。
あまりにもハルコが面白かったので、再び他の作品にも手を出してみようと思い、アマゾンの“この本を買われた方は他にこちらも買ってます”のすすめで「やまいだれ」も買ってみた。これはなかなか!!オムニバス系で非日常的なネタが淡々と進むが、それがまったりとこちらのペースで読めてよかった。

今月「せんせいに〜」の最新刊が出るので予約しようとアマゾンにいったら、一緒に薦められたので買ってみた「中央モノローグ線」が最高だったよ!!
中央線沿いに住む様々な年代、職業の女の子達を描いた日常4コマ。オムニバス系。
それぞれの駅の特色が色濃く反映されていて、ある意味「駅擬人化」と言えないこともない気がする(笑)

中野在住のイラストレーターなのか、高円寺在住の古着屋経営マドカ、この二人の『都会で一人暮らしで自営業』という者が持つふとしたときの“孤独”感がいい。
阿佐ヶ谷OL麻美、三鷹の女子大生ミカ、彼女達の“集団の中で時に感じる孤独”も味わい深い(そのほか荻窪シングルマザーや西荻窪の劇団員、吉祥寺の恋に病んでる女、武蔵境の女子中学生などもいる)無理に泣かせよう!とか感動させよう!とか気負いなくサラリと表現するあたりジワジワ来て、これこそ4コマ王子の真骨頂だと思った。
まごうかたなきギャグ4コマなのにどこか短編集な小説を読んだり、単館上映系映画を見た後のような読後感は不思議。秋の夜長に是非★
ノローグの名の通り彼女達の心の呟きで綴られるこの「中央モノローグ線」。東京に住んだことも無い自分のような地方人が読んでも面白いんだから東京在住者が読んだらもっと面白いんじゃないだろうか?という気がする。

中央モノローグ線 (バンブー・コミックス)

中央モノローグ線 (バンブー・コミックス)