TVの尺の足りなさを補完してくれる

…事もあるので買ってる小説版。夕方お茶の間では放送できないようなエピソードも追加してくれているので、結構楽しみにしている小説版。
4巻はTVの前では、いきなり悲恋を演じだしたライルとアニューのエピソードが。

なにしろ恋に落ちた過程もエピソードもすっとばかして修羅場やられても、唐突過ぎて置いてきぼりだった。小説ではきっとフォローがあるに違い無い、と思っていたら…。

結局たいしたフォローもなかった。

…あれ?自分、読解力足りないのかな??
追加設定としては「自分は肉親を失っても涙も出ない欠陥人間だ」というコンプレックスをライルが抱えていた、というもの。
恋に落ちた理由は、「ロックオンと呼ばれる事を本当は好きじゃないでしょう?」とアニューが話しかけたから。
ライルの欠けている心の機微を「ただ、なんとなく」アニューが指摘した、というものだった。
…それで「俺の違ってる部分を認めてくれた」「俺は初めて俺で居られる、お前には俺の弱さを見せられる、生きている実感が沸く」ということで惚れたらしい。
十代の少年少女の恋物語なら、微笑ましいが…。
……正直コンプレックス自体は「俺って普通の人と違ってるんだよね」「俺誰からも理解されないんだ」という…正直そういう中2病アピールが許されるのは碇シンジ君どまりであって(汗)十代で済ませとけよ!三十路目前で戦争中に「僕はここにいてもいいんだ!僕は僕で居てもいいんだ(おめでとうおめでとう)」とかやられてもやべえまったく同情できない!


…それでまあ、アニューが(無意識下で)内通者だっていう事は本当に察していたらしい(汗)でも「ようは襲撃者を叩けばいいのさ!惚れた女くらい守れなくてどうする!」と皆には伏せていて告発はしなかった、という。ああ、まあこのあたりはTVでも匂わせていたけど…改めて明らかにされるとちょっともにょる。

アニューはスパイになるにあたり過去の記憶を抹消されていて、「過去の無い自分」を憂いていたらしい。「私の欠けた部分をあなたが埋めてくれる。あなたの欠けた部分を私が埋めて…私たちの恋は正直傷の舐めあいと言われかねないわね。私はでもそうは思わないわ」と、客観的に自分たちの恋路を判断し、それでも恋をせずにはいられなかった!という情熱的なモノローグがあったりして、唐突的な悲恋のフォローになってる気がした。
あくまでも「記号」として悲恋がやりたかっただけで、そこまで大した理由付けはなかっただけかもしれない。
それにしてもライルのフォローも、もうちょっと彼の傷口を広げない方向でどうにかならなかったものか…。

結局ライルは中2病でした、という事が良く解った小説版4巻だった。
わー劇場版に出てきても、「でも精神年齢では、4人の中で一番下なんだよな…」とか一歩引いて痛々しい目で見そう(よせよ)5巻で治るんだろうか、この病気。
いやあ、アレルヤもたいがい「恋愛脳だなあ」とか思ってたけどコレに比べたらそんなもんたいしたことじゃなかった、すまんアレルヤ