甲斐谷忍「ONE OUTS」が10月から日テレ深夜枠でアニメ化。

何で何年も前の漫画を今更アニメ化なんて…と思いましたが、しかしあの局のその枠で声優がH原ってそれもうアカギやカイジと同じ扱いって事ですね、解ります。(笑)あとは「ライアーゲーム」のドラマがヒットしたことも大きいかもしれませんね。

この漫画は仮想プロ野球球団によるペナントレースを舞台に、天性のギャンブラー・トーアが駆け引きやフェイク、気象条件、等々ありとあらゆるものを使っての壮大な心理戦が見物の、ギャンブル野球コミックです。アカギが牌じゃなくてボールを握っているとお考え下さい(違います)
BJでかつて連載し、野球漫画マニアには人気でしたが一般的に知られてるとは言い難かったこの漫画がよもゃアニメ化なんて…。信じがたいというか感無量です(笑)いやもう本当に「これはもっと評価されてしかるべきだろう!!」と思っていただけに脚光を浴びることになって嬉しいです(笑)

トーアは剛速球を投げる訳でも、魔球を投げる訳でもありませんが、心理戦を駆使してバッターを討ち取り、万年Bクラスの弱小チームの意識改革に成功し、時に自チームのオーナーすら敵に回して大胆な賭をしたりしながら、球界に嵐を巻き起こすあたりのカタルシスの凄さといったらもう…。(鳥肌)
主人公は淡々としていて、ストーリーも主人公主観でなくあくまでも他者の視点で進行します。例えばトーアが奇行をすると、観客は大ブーイングですが、敵のバッターや、チームメイト、オーナーなどが「あいつまさか!」「いやそんな筈は…しかしこれは罠か?」「落ち着け、こうやってあいつの術中に陥ってしまう…!」「しかし考えすぎだろ俺はここはGO!だ!!」等と一流のプレイヤーが右往左往したりしてトーアの心理戦にハマって踊ったり、自滅したり自壊したりするあたりは、読者もトーアの真の狙いが解らないのでハラハラしたり、やっぱり罠だったときの痛快さをリアルタイムで体感したりできて、非常に良いです。
また集団もののお約束として、個々のキャラも非常にたっていて、またそれによって新しいドラマも繰り広げられ、飽きません。
クールだったり静かだったりする主人公で得られるカタルシス職業球技群像劇といえば、今はモーニングのジャイアントキリングですね(強引)ジャイキリ好きな方、損はしませんよ!アニメで見てみて興味が湧いたら是非原作も読んでみてください。おすすめです。

ONE OUTS 1 (ヤングジャンプコミックス)

ONE OUTS 1 (ヤングジャンプコミックス)

1巻は沖縄で賭け野球してたトーアがスカウトされる話で導入部、いわばさわりなので、本格的に面白くなるのは上京した後、2巻以降(個人的な感想ですが)。